メイズ・ランナー原作(小説)のネタバレ&感想

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「メイズランナー(The Maze Runner)」の映画と小説の両方を鑑賞したので、二つを比較しながらネタバレを含めた感想を書きたいと思います。

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メイズ・ランナーの原作(小説)の感想&評価

メイズランナーの原作と映画はどっちが面白いのか?

どちらも大騒ぎするほどの作品ではないけれど、どっちかという映画の方はましだと言えます。その最大の理由は原作ではとにかく固有名詞や空想世界の造語が連発し、なんのことだか分からないままストーリーが続いていくからです。例えばこんな単語がカタカナ表記でほとんどなんの説明もなく登場します。

シャンク
クランク
チャンジング
ギャザリング
グリーニー
グリーン・ビーン
バッガー
スライサー
キーパー

グレード(迷路の壁に囲まれた世界)、メイズ(迷路)、グリーバー(迷路に住む魔物)ぐらいの単語は仕方ないとしても、ほかの数々の単語をわざわざ造語にする必要があるかどうかは疑問でした。これは作家そのものの説明不足によるもので、物語の序盤ではなく、中盤や終盤になってやっと意味が説明される単語も多く、「どんな意味だよ?」と疑問を持ったまま話が進んでいくのが嫌でした。地球とは別世界である「グレード」について何も分からない主人公トーマスの目線で物語が進行するので、その様子を意味不明な単語を使って表現するのが狙いだったようです。でも読者としてはあまりにも不必要な造語が多くて混乱してしまいました。

また、日本語訳についても、カタカナ表記ではなく、もうちょっと日本語に訳してもいいんじゃないかなあ、といった単語もたくさんありました。例えば「バッガー」、「スライサー」、「キーパー」などはそれぞれの少年たちに与えられた役割、仕事内容を指していて、それなら「~係」や「~担当」とかでもよかったと思います。いちいち読みながら「バッガー」ってなんだったっけ?と思いながら、ストーリーが進行するのが気持ち悪いです。ただ、それも原文と作者の意図を思うと仕方なかったのかもしれません。

メイズ・ランナーの原作と映画の違いは?

1、ザ・ドア

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原作では映画にはない状況や描写があります。例えば映画ではメイズへの入り口は途中まで一つしかないような描写の仕方がされています。途中までというのは、夜にグリーバー(魔物)がグレード(迷路の壁に囲まれた世界)に襲い掛かってきたときには複数のドアが開き、そこで初めて視聴者は複数のドアを見ることになります。

一方で原作では最初から4つのザ・ドア(入り口)があり、それぞれイースト・ドア、ウエスト・ドア、サウス・ドアなどと名づけられています。映画で複数のドアにあまり触れないのは入り口が一つのためイメージが沸きやすく、物語に入って行きやすくなるからでしょう。

2、崖

原作ではメイズの中に「崖」という場所があって、崖から落ちると、何もない空間、あるいは暗闇のような場所に落ちていくという設定になっています。主人公トーマスはこの崖にグリーバーを落として退治します。一方で映画ではトーマスたちはグリーバーを閉まる壁に追い込んだり、火炎瓶を投げたり、槍で刺したり退治していました。終盤に出口につながる細い道があり、その左右が底なしの暗闇になっていましたが、もしかすると映画の中ではあれが「崖」をイメージしていたのかもしれません。

3、登場人物のキャラ

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ギャリー

映画ではグレーダー(グレードに住む少年たち)の中の悪役はギャリーが一人で背負っていた感がありましたが、原作ではアルビーもかなりの悪役ぶりを発揮しています。

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アルビー

4、記憶

映画ではトーマスは最初は自分の名前すら覚えていないという設定でした。それに対して原作では自分の名前は覚えているけれど、それ以外はなにも覚えていないという違いがあります。途中、デジャブー現象が何度も起き、ことあるごとに記憶が薄っすら蘇る、という部分では原作も映画も共通しています。

5、テレサとトーマス

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原作ではテレサとトーマスはテレパシーを使って会話する特別な能力を持っていますが、映画では普通の会話に終始します。映画ではテレサはグレード(迷路の壁に囲まれた世界)に着いた途端に「トーマス」の名前をつぶやきますが、原作ではその部分がありません。

6、ビートル・ブレード

原作ではグレーダーたちをスパイするために存在するといわれる「なめくじ」のような生き物ビートル・ブレードが登場しますが、映画には登場しません。おそらくインパクトに欠けると判断されたのでしょう。

7、暗号

原作ではメイズからぐレーダーたちが脱出するための暗号は「FLOAT」などの文字でしたが、映画では数桁の数字に変わっていました。これはストーリー、あるいは時間の都合上映画では暗号の解読の下りにほとんど時間を割けなかったためと考えられます。

メイズ・ランナーのネタバレ&感想

少年たちが次々とグレード(迷路の壁に囲まれた世界)に送られてくるのは、彼らを監視している科学者たちによる「実験」であることが物語の終盤に明らかになります。

終盤に物語の謎が一通り明かされますが、そもそもSFなので物語に「なぜ?」を問うてしまうと元も子もないです。このタイプの小説は意味を求めるより、読んでいる間のウキウキワクワク感を楽しむもので、そういう意味では最後まで読めて暇つぶしになれば上出来なのかもしれません。500ページ強のボリュームもあって、描写や表現も携帯でも気軽に読めるような簡単なものばかりなので、通勤、通学に読むにはもってこいでしょう。ただ、会話中心に物語が進んでいくため、内容に深みはなく、読んだ後になにか残るものがあるかというとありませんね。余韻に浸れるわけでもなく、考えさせられることもない、でも時間は潰せる、そんな小説です。

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