DCコミックのヴィランを主人公にした映画といえば「ジョーカー」。バットマンシリーズお馴染みの強敵の知られざる素顔を描いた本作のあらすじをラストまで紹介します。
まずは予告動画をご覧ください。
映画ジョーカーのあらすじその1 ゴッサムシティ
舞台は1981年のゴッサム・シティ。そこにうだつの上がらないコメディアンがいた。彼の名はアーサー・フレック。
アーサー・フレックは今日もピエロの恰好をして店の看板持ちをするためにメイクアップをしていた。
ラジオからは、ゴッサム・シティではゴミ回収のストライキが行われ、街はゴミで溢れている、といった不穏なニュースが流れていた。
アーサー・フレックが街中で看板を掲げて店を宣伝していると、不良少年たちがいたずらに彼の看板を奪って走って逃げていった。
慌てて追いかけていったアーサー・フレックは狭い路地で少年たちに逆に襲われ、散々な目に遭う。
アーサー・フレックが襲われた話は仕事場でも話題になっていた。同僚はアーサー・フレックに護身のために持ったほうがいいといって拳銃を渡した。アーサー・フレックは最初こそ躊躇したが、結局拳銃を持って帰ることにした。
アーサー・フレックの悩みの種は精神病だった。発作が出ると笑いをコントロールできなくなり、人々から変な目で見られた。
かつて彼は精神病院に入院していたことがあり、今でも市のカウンセリングに通っていた。カウンセラーはろくに彼の話を聞いていなかった。それでも処方箋をもらうために仕方なく通い続けた。
そんなアーサー・フレックにとっては、母親だけが心の寄りどころだった。母親は彼にいつも笑顔でいるように言った。世界に喜びと笑いを届けることが彼の人生の目的だとも言った。
アーサー・フレックはコメディアンになるために普段からネタ帳にネタを書き溜めていた。いつか人気コメディアン、マレー・フランクリンのトーク番組に出たい、といった夢を漠然と描いていた。
また、難病の子供たちのためにピエロの恰好をして病院でパフォーマンスをすることもあった。
病院で歌と踊りを披露している最中、あろうことかアーサー・フレックは拳銃を子供たちの前で落としてしまった。それもパフォーマンスの一つだという言い訳で逃れようとしたが、通じなかった。
同じ日の帰り道、アーサー・フレックは地下鉄で女性に絡んでいた三人組の男たちと遭遇する。アーサー・フレックは発作で笑いが止まらなくなった。
すると、三人組の男たちは女性からアーサー・フレックに標的を変え、彼に暴力を振るった。咄嗟にアーサー・フレックは拳銃を出し、三人に向けて発砲した。そのとき彼は自分の内に秘めた悪の魂が膨れ上がるのを感じた。
映画ジョーカーのあらすじその2 ピエロ事件
アーサー・フレックは病院に銃を持っていたことが原因でピエロの仕事を首になってしまう。銃のことを上司にチクったのはなんと銃を渡してきた同僚だった。
同じ頃、市が予算をカットしたために市のカウンセリングにも通えなくなってしまった。誰も彼のことなんて気にかけていなかった。
さらに母親が脳卒中で倒れ、入院してしまう。世の中があまりにも不条理なのは自分のせいなのか、あるいは社会が悪いのかは検討がつかなかった。
そんな中、アーサー・フレックを支えてくれたのは同じビルに住むシングルマザーの恋人、ソフィー・デュモンドだった。ソフィー・デュモンドだけは彼のジョークでよく笑ってくれた。彼のスタンドアップコメディーも見に来てくれたし、母親の病院にも付き添ってくれた。
その頃、警官がアーサー・フレックの下へ事情聴取にやってくるようになった。三人組がピエロの姿をした男に殺害されたというニュースはゴッサム・シティで大きな話題となっており、警察も犯人逮捕のためにやけになっていた。
一方でちょうど市民が富裕層による支配に鬱憤を抱えていたこともあって、被害者の三人が富裕層の人間だったことからも事件は格差社会の不公平さにピエロが成敗を下した、といった見られ方をした。
そして貧困層の人々は事件を起こしたピエロにある種のカリスマ性を抱き始め、崇拝するのだった。
それを機にゴッサム・シティではピエロのマスクをかぶった人々によるデモが起こり、市長選挙に立候補した政治家、トーマス・ウェインにも批判が集中した。
映画ジョーカーのあらすじその3 母親の正体
アーサー・フレックの母親は30年前に政治家のトーマス・ウェインの下で働いたことがあると言い、彼に今の状況から救ってもらおうと、手紙を書き続けていた。しかし一向に返事は来なかった。
ある日、たまたまアーサー・フレックが母親の手紙を見つけると、そこにはトーマス・ウェインがアーサーの父親である、と書かれていた。
母親に問い詰めると、母親はトーマス・ウェインから書類にサインすることを強要され、この事実をずっと秘密にしてきたことを明かした。
アーサー・フレックは事実を確認しにトーマス・ウェインの豪邸にまで足を運んだ。すると、門の側にトーマス・ウェインの息子ブルース・ウェインの姿があった。
アーサー・フレックは手品をしてブルースの気を引こうとしたが、すぐに関係者に見つかって門前払いされる。
翌日、劇場にトーマス・ウェインがいることを知った、アーサー・フレックは中に忍び込んで、トイレの中で彼を近づいた。
ところがトーマス・ウェインが父親であるなんてことは、アーサー・フレックの母親の嘘であり、母親は妄想癖のある精神異常者であることを告げられたうえ、殴られてしまう。
真実を追求しようと、精神病院の記録を盗んだアーサー・フレックはそこで母親がかつて重度の精神病を抱えていたことや、自分を養子に迎えていたことを知った。
アーサー・フレックは子供の頃、そんな母親から虐待を受けていたのだ。アーサー・フレックの精神病はそのときのダメージが原因だと考えられた。
アーサー・フレックはその事実に怒りを覚え、病室で母親を窒息させた。それまで人生は悲劇だと思っていたが、バカバカしくなって全ては冗談だと思うようになった。
その瞬間アーサー・フレックは理性を捨てたジョーカーとなり、理不尽な出来事に溢れるゴッサム・シティを変えようと犯罪の道へと進むことを決意する。
映画ジョーカーのあらすじその4 ジョーカー誕生
ある晩、アーサー・フレックに憧れのマーレイ・フランクリンの番組プロデューサーから電話がかかってくる。
なんでも彼のスタンドアップコメディーの映像の反響が凄かったため、番組に出演しないかという驚きのオファーだった。
アーサー・フレックは番組に出演するために髪の毛を緑色に染め、ピエロのメイクアップをした。そのとき彼はアーサー・フレックではなくすでにジョーカーになっていた。
家を出ようとすると、突然職場の同僚二人がアーサー・フレックのお母さんが亡くなったことを聞きつけ、やってきた。しかしそのうちの一人は以前に銃のことをチクった男だった。
ジョーカーは突然ハサミを使って同僚に襲い掛かる。ジョーカーは最後まで容赦しなかったが、もう一人の同僚のことは許してあげた。
映画ジョーカーのあらすじその5 番組出演
ジョーカーが外に出ると、刑事二人が彼の後を追ってきた。ジョーカーが地下鉄に逃げ込むと、そこはピエロの恰好をしたデモの参加者で一杯だった。乗客はみんなスローガンを掲げ、興奮していた。
刑事二人がジョーカーを追いかけようと、横柄な態度で電車内に乗り込むと、やがて乗客たちが刑事に襲い掛かり、袋叩きにしてしまう。ジョーカーはその隙を見て、テレビ局へと向かった。
マーレイ・フランクリンの番組に出演するために楽屋で待機していたジョーカーは、マーレイ・フランクリン本人と初対面する。
そのときジョーカーは、マーレイ・フランクリンに自分をジョーカーとして紹介してくれと頼む。
いざ本番が始まると、最初の掴みは好調で観客にもそれなりに受けていた。しかし人々が自分のことを馬鹿にしていることを察すると、ジョーカーは自分こそが犯人のピエロだと告白し、生放送中に銃を抜いてマーレイ・フランクリンを撃ち殺した。
これによって逮捕されたジョーカーだったが政府に不満を持ち、ジョーカーを支持する人々によって街は暴動が起こっていた。
そしてピエロのマスクをかぶった男が乗った救急車がジョーカーが輸送されていたパトカーに衝突し、ジョーカーを解放した。
また、男は、劇場から出て来たトーマス・ウェインと妻マーサ・ウェインを息子のブルースの目の前で襲撃した。
一方、ジョーカーは精神病院の中にいた。カウンセラーと話を聞いていた彼は、どうにかして部屋を脱出し、血だらけになった足を地面に擦りながら廊下を走り回るのだった。