アニメファン待望のスターウォーズ・スピンオフ企画、スターウォーズ・ビジョンズがディズニープラスでついに公開されました。
そこでこの記事では同シリーズの感想を辛口で述べたいと思います。結論からいうと、すごくつまらなかったです。
スターウォーズ・ビジョンズがつまらない理由
スターウォーズ・ビジョンズは全9エピソードからなるアニメシリーズで、それぞれが独立したストーリーになっています。
各エピソードはどれも20分以内のショートストーリーで、短いものだと12、3分しかありません。そして同シリーズの最大の問題点がこの上映時間の短さにあるといってもいいでしょう。
当然それだけの時間内ではストーリー性のある物語を描くのは不可能で、どのエピソードも突然敵が現れて、主人公と戦うだけの展開になっています。
それも全く知らない新しいキャラクターによる話なので、そもそも誰が誰だか分からない状態のまま話が進んでいき、ようやく登場人物のキャラがなんとなく理解できてきた、状況が分かって来た、という時に話が終わってしまうのです。
これだと当然キャラクターに親近感を抱けるはずがなく、またストーリーを楽しむ時間もないのです。
もしこれが連続したシリーズものであれば話は違っていたでしょう。しかしオムニバス、またはアンソロジー的な構成にしてしまったがためにエピソード1を見ても、エピソード2を続けてみる理由がどこにもないのです。
例えば同じようなディズニー+のアニメシリーズにマーベルのワットイフがあります。ワットイフもそれぞれ独立したエピソードですが、スターウォーズ・ビジョンズとの大きな違いは、すでにみんなが知っているストーリー、キャラクターを基に新たな解釈を入れているおかげでファンは話についていけるのです。
しかしスターウォーズ・ビジョンズの場合、全くの新しい世界を舞台にした全く知らないキャラによるストーリーなので、そもそもその世界に入り込んでいくまでには本来なら相当な時間がかかるはずなのです。
それなのに各エピソードの時代設定もバラバラなら、キャラクターのバックグランドも謎で統一感も一切なし。これでは楽しみようがないですよね。そのため上映時間は短いのに最後まで見るのが苦痛になるエピソードも少なくなかったです。
唯一、褒められる点といえば、いくつか新しいライトセーバーを導入したところでしょうか。特にエピソード1の傘を使ったライトセーバーは格好良かったです。ただ、褒められる点はそれぐらいでしたね。
ちなみに僕にとってのワーストエピソードは、エピソード2のタトゥイーン・ラプソディです。宇宙で戦争が勃発しているのに呑気にバンド活動をしてるっていうのがまずあり得ないし、ジャバザハットにナメクジが命を狙われている理由も分かりません。
さらにラストでジャバザハットの気が変わって処刑を取りやめるのも無理がありました。タトゥイーンの住人があんなヴィジュアル系のひどい音楽でノリノリになるところが想像がつかないし、ボバ・フェットまで首を振ってリズムを刻んでたり、イメージをぶち壊すのもいい加減にしてほしかったです。
全体的に絵のクオリティーも決して高いとはいえませんでしたね。製作スタジオによってはかなり雑なものもありました。ヴィジュアル的に目を引いたのはエピソード1のデュエルとエピソード9のアカキリだけです。ほかのエピソードはディズニーがとてもOKを出したとは思えないレベルで、正直これを日本代表の作品として世界のスターウォーズファンに配信することに恥ずかしさすら感じます。
なにより全くスターウォーズらしさが感じられないのが残念でした。スターウォーズの正史ではなく、番外編なんだからこれもありだという意見もありますが、僕にとってはスターウォーズに対するリスペクトも特に感じられない、B級アニメ作品としか思えなかったです。ヒットすればシーズン2の可能性もなくはないでしょうが、個人的にはこれで終わりにしてもらいたいです。