2023年公開のオリジナルSF大作として話題を呼んだザ・クリエイター/創造者。ここでは本作のストーリーを最初から最後まで紹介してきます。
ザ・クリエイター/創造者のあらすじ
2055年、アメリカ政府によって作成された人工知能(AI)がカリフォルニア州ロサンゼルス上空で核弾頭を爆発させる。これに対し、アメリカと西側の同盟国は人類の絶滅を防ぐため、地球からAIを根絶すると誓う。その努力に対し、西側の反対にもかかわらず、東南アジアの地域であるニューアジアはAIを受け入れ続ける。
アメリカ軍は、ニューアジアのAIの進展の背後にある謎の主要建築家である「ニルマタ」を暗殺するため、AIに対する包括的な軍事キャンペーンを開始。そんな中、軌道から破壊的な攻撃を行う能力を持つ高度な宇宙ステーション北米軌道モバイル航空宇宙防衛(USS NOMAD)が開発される。
ロサンゼルスの破壊から10年後、アメリカ陸軍の軍曹ジョシュア・テイラーは、妊娠している妻マヤと共にニューアジアに潜入工作員として潜入していた。アメリカ軍はマヤをニルマタの娘と信じていた。
やがてアメリカ軍が彼らの家を襲撃し、ジョシュアがスパイであることを暴露すると、マヤはショックを受けて逃げ出してしまう。そしてあろうことかその後NOMADの攻撃で命を落としてしまう。
5年後、ジョシュアはロサンゼルスの地上ゼロの清掃クルーの一員として働いていた。マヤを失った彼は絶望に暮れていた。
そんなときにアンドリュース将軍とハウエル大佐は、ニルマタが開発した「アルファO」という新しい兵器を破壊する任務に参加するようにジョシュアに依頼する。この兵器はNOMADを破壊し、戦争のバランスをAI側に傾けることができると考えられるほど恐れられていた。
彼らはジョシュアを勧誘するために、マヤが生きていることを示すビデオを流した。もし彼がチームに参加すれば彼女を見つけ出して再会する可能性があるというのだ。
ニューアジアでは、他の打撃チームから別行動を余儀なくされたジョシュアは、兵器を保持していると考えられる施設に入ることに成功するが、そこには若い女の子の形をしたドロイド、シミュラントしかいなかった。
彼女はテクノロジーを遠隔操作する能力を持っていることが明らかになる。ジョシュアは彼女を「アルフィ」と名付ける。やがてジョシュアはアルフィと時間を過ごすうちに彼女に親近感を覚え、ハウエルからアルフィを殺す命令を受けても拒否するようになる。そして二人はジョシュアの元上官ドリューを探すために旅に出る。
無事ドリューと合流したジョシュアは、アルフィこそが兵器になる能力を持っていると聞かされる。すると、突然ニューアジアの警察がドリューのアパートを襲撃し、彼のシミュラントのガールフレンドであるカミを殺害する。
アメリカ軍がすぐそこまで迫る中、ドリューの助けを借りて、ジョシュアはマヤのビーコンを見つけ出すが、彼女を見つけることができない。
ドリューが死ぬ前、ジョシュアは5年前の襲撃はマヤがニルマタであるという情報を基に起きたことを告げられる。続いてジョシュアとアルフィは、ジョシュアの元同僚であるハルン率いるニューアジアの部隊に捕らえられる。
ハルンは、ロサンゼルスでの爆発は人間のコーディングミスによるものであり、アメリカ政府がAIに不当に責任を負わせただけだと説明した。AIはむしろ戦うどころか人類と平和に共存したいと願っているのだという。
捕虜になったジョシュアはシミュラントたちが寝ている隙にアルフィを救出し、逃げる準備をする。その際、アルフィが負傷してしまう。
彼女はマヤのもとに急いで運び込まれた。ジョシュアがずっと探し続けてきたマヤは襲撃以来、昏睡状態にあったのだ。それでもなんとかシミュラントによってケアされて延命していた。
シミュラントはニルマタを傷つけることができないため、マヤは「立ち往生」し、死ぬことができなかった。
やがてジョシュアはアルフィがジョシュアとマヤの間に生まれるはずだった胎児から誕生したことを知る。ジョシュアは混乱し、マヤの生命維持装置を切ってしまう。
そこにアメリカ軍のハウエルと彼女の部隊が到着する。しかし彼らはニューアジアのハルンによって殺害される。
ジョシュアとアルフィはアメリカ軍に捕らえられ、ロサンゼルスに連れて行かれる。そこでジョシュアはアルフィを電撃武器で殺すよう強制される。ジョシュアは殺すフリをしてアルフィを生かしておいた。そしてアルフィが焼却される寸前に2人は脱出する。
月面シャトルに乗り込んでロサンゼルス国際宇宙港に向かうと、アルフィは宇宙船をNOMADに着陸させる。この間にアンドリュースは全世界の残りのAI基地に対して大規模な攻撃を命じる。ジョシュアは時限爆弾を設置し、アルフィは船の電力を停止させる。ジョシュアが脱出ポッドに到着する前に、アンドリュースは彼が入るのを防ぐために触手付きのロボットを作動させ、ジョシュアはアルフィを乗せたまま脱出させる。
NOMADが爆発し、攻撃が止まると、ジョシュアはマヤの姿をしたシミュラントを抱きしめる。それはアルフィが、マヤからダウンロードした情報を含むメモリチップを使って起動させたものだった。地球では、アルフィはニューアジアに着陸し、人々がNOMADの破壊を祝っていた。