交通事故によって天才外科医から魔術師になった男の運命を描いたのが「ドクター・ストレンジ’」。ほかのマーベル作品がそうのように、本作にもまた多くの秘密とトリビアが隠されています。その全てをここで一挙公開します。
1、ドクター・ストレンジは過去に実写化されていた
最近ドクター・ストレンジを知ったという人は気づいていないでしょうが、実は本作は1970年代にテレビ放映用の映画としてアメリカで実写化されています。
当時の映像を今見ると、さすがに古臭いですが、70年代の映画にしては最先端のCG技術を使って炎や魔術が表現されていました。
ドクター・ストレンジはあともう少しでCBSでドラマシリーズ化されるところでした。しかしながらパイロット版の評判がそれほど良くなかったため、これ一本の放映でお蔵入りとなってしまったのです。まさに伝説の物語をマーベルは今回映画化することに成功したのでした。
2、スタン・リーのカメオ出演
マーベルの名物おじいちゃんであり、生みの親として知られるクリエイターのスタン・リーが今回も登場します。彼が登場するのはバスの車内。スタン・リーは乗客という設定で、彼が乗っているバスにドクター・ストレンジが空から落ちてくる、というシーンです。
いつもそうですが、今回もスタン・リーを見つけるのはかなり簡単。バスのシーンが出てきたら、すぐに彼であることが分かるはずです。
3、クリスティーン・パーマーの設定
クリスティーン・パーマーは本作では医者という役柄でしたが、原作ではナースの設定になっています。ちなみにクリスティーン・パーマーが登場するコミックは「Night Nurse」と呼ばれる3人のナースの物語と、「Dr. Strange The Oath」です。
「Dr. Strange The Oath」でクリスティーン・パーマーは、ドクター・ストレンジと恋仲になりますが、映画の劇中に二人が恋愛関係にあったのは、ここから来ていると考えられます。
4、wifiのパスワードの本当の意味
ドクター・ストレンジが、ネパールの秘密の屋敷カマール・タジに受け入れてもらったとき、魔術師のモルドから部屋を案内され、一枚の紙を渡されます。そこには「shamballa」と書いてあります。
これを見たドクター・ストレンジが「これはなんだい? 僕のマントラ(呪文)かい?」と聞くと、モルドは「wifiのパスワード」と答えます。
映画館では笑いが起きるシーンですが、実はこれにはほかの意味が隠されています。そう「shamballa」とはドクター・ストレンジのグラフィック・ノベル「Dr. Strange Into Shamballa」のタイトルが語源となっているのでした。
5、シャーロック
魔術師の隠れ家であるニューヨークのサンクタム・サントラムは、ブリーカー・ストリート177Aに位置します。これはコミックでも全く同じ設定になっています。というのもマーベルの漫画家ロイ・トーマスとゲリー・フレデリッチが実際にニューヨークで住んでいた住所がここだからです。
一方で物語の終盤ドクター・ストレンジは拠点をこの場所に移します。ここで不思議な現象が起こるのですが、英ドラマ「SHERLOCK」の主人公シャーロック・ホームズの住所はベイカー・ストリートなのです。片一方はブリーカー・ストリート、もう一方がベイカー・ストリートというのは偶然でしょうか。
ちなみにドクター・ストレンジを演じたベネディクト・カンバーバッチはSHERLOCKでシャーロック・ホームズを演じています。
6、ディズニーとのコラボ
ドクター・ストレンジが身にまとう赤いマント。まるで自分の意思があるかのようにひらひらと舞い、物語の終盤にはドクター・ストレンジの顔にできた傷をなめるような動きを見せます。実はこれ、ディズニーアニメ「アラジン」の魔法の絨毯をモチーフにしたシーンです。
ちなみにマーベルの実写映画の配給を担当しているのがウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズです。
7、アベンジャーズ・タワー
ニューヨークの上空のシーンにちらっと写るのがアベンジャーズ・タワーとして知られるスターク・タワー。アベンジャーズの本拠地として知られるこの場所にもしかしたらアベンジャーズのヒーローたちがいたのかもしれません。
ラストのおまけシーンで、ソーが登場することからも今後ドクター・ストレンジがアベンジャーズのヒーローたちとも絡む可能性を示唆しています。
8、ベネディクト・カンバーバッチは一人二役だった
主役のドクター・ストレンジを演じたベネディクト・カンバーバッチは、実はもう一つの重要な役も担っています。それに気づいたでしょうか。
その役とはなんとダーク・ディメンションのラスボス、ドーマムゥです。つまり二人の対決のシーンは別撮りで、ベネディクト・カンバーバッチが自分自身に話しかけているのでした。
ちなみにドーマムゥは原作では異次元のロボットとされていますが、映画ではエイリアンのような姿に描かれていました。
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