IT/イット “それ”が見えたら、終わりのトリビア【ネタバレ】

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全米で大ヒットを飛ばしたホラー映画「IT/イット “それ”が見えたら、終わり」。本作は1990年に一度実写化された作品のリメイク版で、ホラー作家スティーブン・キングスの小説を基にしています。

そのせいか原作や前作に関連する様々なトリビアが存在します。そこで注意しないと見逃してしまう本作のポイントを紹介します。

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1、ピエロの人形の秘密

ビルをはじめとするルーザーズクラブのメンバーは、ピエロのお化けペニーワイズが町外れの井戸小屋に生息していることを突き止めます。

不気味なその小屋の中でリッチーはビルたちとはぐれて一人ピエロの人形に囲まれた部屋に閉じ込められてしまいます。

そのピエロの中にはなんと1990年の「IT」に出てきたペニーワイズがいるのでした。

同じペニーワイズでも前作と本作のものではかなりデザインが変わっているのが分かりますね。どちらが怖いかは、両作品を見比べてみてください。

2、狼男

めがねをかけたお喋りな男の子といえばリッチーことリチャードですが、原作や前作では彼が最も恐怖を抱いているのは狼男だと語られています。

そのため、ペニーワイズがリッチーに襲いかかるシーンでは手が狼の手になる瞬間があります。それもそのはず、ペニーワイズは子供たちが最も恐れるものに姿を変えることができるからです。

3、Tシャツの意味

本作で登場人物たちが着ているTシャツにはたくさんの隠しメッセージが込められています。例えばトンネルのシーンでビルが着ているTシャツは「TRACKER BROTHERS」。

「TRACKER BROTHERS」とは舞台となった街デリーにある工場の名前で、後編で大人になったビルとペニーワイズが再会する場所でもあります。

一方、エディーのTシャツには歯をむき出しにした車のロゴが描かれています。実はこれ、スティーブン・キングの1983年に発表した小説「クリスティーン」と、その小説が元になった同名の実写映画に出ている殺人自動車を指しています。そっちの作品まで気になってきますね。

また、リチャードが着ているTシャツには「FREESE’S」と書かれています。かつてメイン州バンゴーに実在したデパートの名前です。

なぜこれをリチャードが着ているかというと、バンゴーはスティーブン・キングが昔長い間住んでいた町だからです。

4、ビルの自転車

ビルが普段から乗っているシルバーの自転車にはよく見ると「Silver」の文字が書かれています。この自転車は原作にも前作にも登場するストーリー上重要な自転車で、これによって何回も登場人物が命拾いするのでした。

本作ではそういったシーンはありませんでしたが、後編でも登場することは間違いない要チェックアイテムです。

5、ホラー映画のオマージュ

冒頭のシーンでビルの部屋の中が映りますが、そこにはなんと懐かしの映画のポスターが貼られています。そうそれは「グレムリン」と「ビートルジュース」。どちらも80年代の映画ですが、「IT/イット」の世界は1980年代後半という設定なので、ビルがこれらの映画のファンだとしても不思議はありませんね。

ちなみに「グレムリン」も「ビートルジュース」も両方ともホラーコメディー映画です。本作はホラー映画ですが、コメディー色がとても強いことでは共通しています。

また、ベバリーのバスルームの洗面台から大量の血が噴出してくるシーンは1984年公開の映画「エルム街の悪夢」のワンシーンのオマージュです。

ちなみにリチャードがアーケードゲーム、ストリートファイター2をプレーしている映画館では、「エルム街の悪夢5」が上映されているのが看板で分かります。

6、ブラッドリー・ギャング

マイクが肉屋の外で幻覚を見るシーンでは、火事から逃げようとする人たちの無数の手がドアから伸びてきます。実はそのドアの横の壁には、ブラッドリー・ギャングの殺人事件の様子が壁画として描かれています。

ブラッドリー・ギャングとは原作に登場するジョージ・ブラッドリーをリーダーとするギャングのことで、1929年に市民の手によって殺害されています。

7、27の意味

劇中、ペニーワイズは27年周期で街に現れ子供たちをさらっていくことが語られていますが、前作の映画が公開されたのはちょうど27年前の1990年です。

ちなみにペニーワイズ役のビル・スカルスガルドは本作が劇場公開される1ヶ月前にちょうど27歳になったばかり。

一方、1990年の「IT/イット」でビル役を演じた俳優ジョナサン・ブランディスは奇しくも27歳のときに自ら命を絶っています。

さらに本作の全米での公開日は2017年9月8日でしたが、それぞれの数字を次のように足していくと27になります。

2+0+1+7+9+8=27

8、巨人像

劇中、ルーザーズクラブのメンバーが公園で話しているとき、背後に巨大な像が立っているのが見えます。その像とはアメリカの伝説上の巨人であり、西部開拓時代の怪力無双のきこり、ポール・バニヤンの像です。

ポール・バニヤンの像はアメリカ各地に実在するもので、その一つは、メイン州バンゴーにあります。これもまたスティーブン・キングがかつて住んでいた町を象徴するものなのです。

9、ストレンジャー・シングス

本作は2009年から製作プロジェクトがスタートしましたが、その後監督が二転三転する事態に陥ります。最初に起用されたのは日系アメリカ人監督のキャリー・フクナガ。しかし考えの相違から途中で降板。最終的にはアンディ・ムスキエティ監督が指揮を執りました。

しかしながらその間にも実はストレンジャー・シングスを兄弟で監督しているダファー・ブラザーズの名前が挙がっていたのです。結局二人は起用されませんでしたが、もし本作の監督を引き受けていたら、ストレンジャー・シングスはこの世に出なかったかもしれません。

そして奇しくも本作とストレンジャー・シングスは背景がとても似ていることが分かります。どちらも1980年代の田舎町を舞台にしたホラーであること。セリフの中に「ピエロが怖くないのか?」といった「IT/イット」を指しているとも取れるシーンまであります。

さらに両方に同じ子役フィン・ヴォルフハルトが出演していることで共通しています。このことからもダファー・ブラザーズがオリジナル、あるいは原作の「IT/イット」から影響を受けていることは明らかでしょう。

一方のアンディ・ムスキエティ監督は製作前には一度もストレンジャー・シングスを見たことがなかったことをインタビューで語っています。少なくともフィン・ヴォルフハルトを起用したのは偶然の一致だったようです。

10、亀

スティーブン・キングの小説のファンなら、彼の作品の中で度々登場する亀をご存知かと思います。マトゥリンと呼ばれるその亀は、小説「ダーク・タワー」に登場した世界の守護者の一人で、本作にも姿こそ現しませんが、何度もその存在を匂わすシチュエーションがあります。

その一つがジョージが紙の船を追いかけて頭をぶつけてしまうシーン。前方に緑色のシートがかぶさっている何かが見えます。まるで亀の甲羅のような形をしていますね。

ほかにも亀のレゴを落すシーンや湖で泳いでいるときに「亀がいた」と言うセリフなど、何かと亀が登場します。注意して見ると、その辺の細かい点にも気づくので面白いです。

11、赤い風船の意味

劇中に突如として現れる赤い風船。あれは一体何を意味しているのでしょうか。実は赤い風船は実在する物ではなく、ペニーワイズによって映し出された幻覚です。

恐怖を抱いている特定の人間にしか見ることができず、信号の赤色のように危険を意味すると同時にペニーワイズがそこにいることを示しています。

子供たちばかりを狙うペニーワイズだけに子供を魅了しやすい風船で注意を引き、ピエロと化して襲うというのが彼の常套手段なのです。

ちなみにアメリカでは「balloon phobia/globophobia 風船恐怖症 」という言葉が存在するほど、風船に対して異常な恐怖を抱く人がいますが、この映画が影響を及ぼしたことは言うまでもないでしょう。

12、ラストシーンに隠されたメッセージ

ペニーワイズとの戦いに勝利したビル、エディー、リチャード、ベバリー、ベン、スタンリー、マイクの7人は円陣を組み、お互いの血と血を結ぶ誓いを立てて、その場を後にします。

最初に家に帰ったのはスタン。続いてエディーという流れでそれぞれが立ち去りますが、実はこれは後編で登場人物たちが命を落す順番と同じなのです。

さらにエンドロールの最後には「チャプター1」の文字が浮かび上がります。そして遠くからペニーワイズの笑い声が聞こえてきます。もちろんそれはこの戦いがまだ終わっていないことを暗示しているのでした。

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