面白くて怖い超おすすめのホラー映画「ヘレディタリー/継承」。そのあらすじを最初から最後まで徹底紹介します。
1、エレンの葬式
アニー・グラハムはミニチュア模型を作る職人で、夫スティーヴと二人の子供、ピーターとチャーリーと暮らしていた。
アニー・グラハムは母親のエレンを亡くしたばかり。葬式には母の友人と思われる見知らぬ人たちが多く参列し、不思議とアニーはそれほど悲しくならなかった。
スティーヴは家にいるとき墓地の経営者から連絡を受け、エレンの墓が荒らされたことを告げられるが、心配させないようにと妻には黙っていた。
後日、アニーは母親の死を見つめなおすためにサポートグループのセッションを訪れることにする。そこで彼女は父親と兄が自ら死を遂げたこと、母親には多重人格などの精神異常があったことなどを明かし、涙を流す。
2、パーティー
高校生のピーターは友人に誘われ、友人宅で開かれるパーティーに行こうとしていた。そのことを母のアニーに告げると、飲酒運転をするのではないかと心配され、妹のチャーリーを一緒に連れて行きなさいと言われる。
チャーリーは行きたくなさそうにしていたが、アニーは無理やり兄に付き添うように命じた。ピーターが妹の面倒を見ていれば変なトラブルに巻き込まれないだろうと考えたからだ。
パーティー会場に着くと、ピーターは好意を寄せているクラスメイトの女の子を見つけ、話しかける。ピーターは彼女とこっそり別の部屋に行きたかったため、チャーリーを下の階に一人で残すことにする。そして「ケーキでも食べていればいいさ」とピーターは妹を置いてさっさと消えてしまう。
チャーリーは言われた通り大好きなチョコレートのケーキを食べたものの、その中にはアレルギーのあるピーナッツが含まれていた。
まもなく発作が始まり、まともに呼吸ができなくなったチャーリーは兄に助けを求める。呼吸困難に陥った妹を見たピーターは妹を車に乗せ、猛スピードで病院を目指した。
しかし息苦しさを感じたチャーリーは車の窓を開け、窓から顔を出してなんとか呼吸をしようとした。
ちょうどそのときピーターは道路の真ん中にあった動物の死骸を避けようとハンドルを切った。チャーリーは支柱に顔を強く打った。
あまりのショックにピーターは家に着くなり、何事もなかったかのように部屋に入ってベッドにうずくまった。
3、家族の崩壊
最愛の娘を失ったアニーは立ち直れなかった。ピーターのことをどうしても許すことができなかった。
そんなある日、アニーは再びサポートグループのセッションを訪れずれようとしたが、建物の前まで来ると気が変わり家に帰ろうとした。
すると、そこにサポートグループのメンバーの一人ジョーンがアニーに話しかけてきた。ジョーンもまた自分の子供を亡くした経験の持つ母親だった。
同じ境遇にいるジョーンに対し、アニーはシンパシーを感じ、彼女の連絡先を受け取った。
後日、アニーはジョーンに電話をかけ、ジョーンの家を訪れる。ジョーンの家の玄関には母が持っていた同じ種類のドアマットが敷かれていた。
アニーはジョーンに自分の悩みを打ち明けた。夢遊病の症状があり、寝ているときに危険なことをしてしまった過去についても語った。
その晩、アニーは夕食でピーターに対して突然逆上する。自分の過ちを認めず、何も言わない息子に対してついに堪忍袋の緒が切れたのだ。
4、霊媒
ある日、アニーは買い物に行くと駐車場で偶然サポートグループのジョーンと出会う。ジョーンの表情はいつになく優れていて幸せそうだった。
何かあったのかと聞くと、ジョーンは全てが変わったという。ある霊媒師に死んだ息子との対話を手伝ってもらい、考え方が変わったというのだ。ジョーンはアニーも試してみるべきだと誘った。最初は誰も信じないが一度試してみれば全てが分かると。
半信半疑でアニーはジョーンの家に出向き、二人でテーブルのグラスに手をかざすと、グラスが勝手に動くのだった。確かにジョーンの息子はチョークを使ってボードに文字を書き、メッセージを送った。
その現象を目の当たりにして、アニーはパニックになり、逃げるように家に帰って行った。
信じられなかった。しかし確かにこの目で見た。翌朝、アニーはピーターとスティーヴを起こして、同じことをやろうとした。
ジョーンから習ったように呪文を唱え、三人で手をつなぎチャーリーと交信を始めた。するとまたテーブルの上のグラスが動いた。チャーリーはすぐそこにいるのだった。
しかしピーターとスティーヴはあまりの恐怖から発狂してしまう。スティーヴは狂乱したアニーに水をかけてチャーリーとの交信をやめさせた。
5、キングパイモン
アニーは、チャーリーの霊が悪さをしていると思い、彼女のスケッチブックを燃やすことにする。
しかし暖炉にスケッチブックを投げ込むとアニーの服の袖にまで火が移ってしまった。スケッチブックを暖炉から取り出すと袖の炎も消えた。
不信に思ったアニーはジョーンの家を再び訪れる。するとジョーンの姿はそこにはもうなかった。しかしジョーンの家のテーブルにはなぜかピーターの写真が祭られていたのだった。
アニーはジョーンの家の玄関のドアマットを再び見て確信した。それは母親が持っていたドアマットと全く同じものだったのだ。
家に戻り母の遺品を探すと、ドアマットとともにおかしな呪文のかかれた本が出てきた。そこには悪魔キングパイモンの召喚方法が書かれていた。
キングパイモンは弱った男の体を欲していた。男の体になら魂を憑依されることができるからだ。
母のアルバムにはジョーンと母親が映っている写真がある。二人は昔からの知人でキングパイモンを神とする同じカルト教団のメンバーだったのだ。
6、ピーターに起こった異変
ちょうどその頃、ピーターは異変を感じていた。不思議な光を目にしたかと思うと、彼はその光に導かれるように学校の廊下を歩いていた。
授業に戻ると、ピーターの体に異変が起きた。彼の意志とは関係なく腕が変な方向に延び、手足の自由が利かなくなった。まもなくするとピーターは机に自分の顔を自ら打ち付けていた。
ピーターは父親に学校に迎えに来てもらい放心状態のまま家までなんとか帰っていった。
7、スケッチブックの呪い
スティーヴがピーターを連れて家に到着すると、アニーがスティーヴに屋根裏部屋を見てほしいと興奮しながら話してくる。そこには誰かの体があり、死んだエレンのものではないかというのだ。
スティーヴはもともとエレンの墓を掘り起こしたのはアニーの仕業ではないのかと疑っていた。しかしアニーは呪いの仕業だと言い張る。そしてこのままではピーターにまで危険が及ぶと泣き崩れた。
意を決してアニーはチャーリーのスケッチブックを燃やすことに。それで自分が燃えても家族を守れるのなら仕方ないと思った。
ところがスケッチブックを暖炉に放り込むと、燃えだしたのはアニーの体ではなく、スティーヴのほうだった。
8、追い詰められるピーター
ピーターが夢から目覚めると、リビングで父親の遺体を見つける。そのとき突然霊にとりつかれたアニーがピーターを追いかけてくる。
ピーターは屋根裏部屋に逃げたが、閉じ込められてしまう。幻覚か否か、そこでピーターは知らない裸の大人たちの姿を目にする。そして天井にぶら下がり、自分を傷つけるアニーの姿も見えるのだった。
怖くなったピーターは窓からすかさず飛び降りた。
9、キングパイモンの儀式
地面に倒れたピーターは起き上がり、引き寄せられるようにツリーハウスへと上がっていった。
そこにはカルト教団のメンバーとも思われる人たちがなにやら儀式をしていた。中には首のない人もいた。
儀式の様子を眺めていると、ピーターは誰かから王冠をかぶせられた。そしてメンバーたちは一斉に「パイモン万歳!」と叫ぶのだった。