カンヌ映画祭で高い評価を受けた、村上春樹の「納屋を焼く」を基にした韓国映画「バーニング」。気になるそのあらすじを徹底紹介します。
「納屋を焼く」の韓国映画バーニングのあらすじ1-再会
ある日、ジョンスは配達の仕事をしている最中に街でばったり幼馴染のクラスメイト、ヘミと再会する。ヘミはデパートの前でくじ引きのキャンペーンガールのような恰好をしていた。
話しかけられてもジョンスはヘミの顔を思い出せなかった。ヘミは「整形したの」とあっけらかんと語り、ジョンスを夕食に誘う。
食事中、二人は近況を報告し合った。ヘミはパントマイムを勉強していて、ジョンスは小説家を志している。
やがてヘミはアフリカに行こうと思っていると打ち明けた。彼女には知識を欲する大きなハングリー精神があり、それを満たしたいということだった。
ヘミは旅行中、自分の猫の面倒を見てほしいと言い、ジョンスは仕方なく引き受けることに。猫の面倒はヘミのアパートで見ることになった。
別の日、ヘミのアパートを訪れたジョンスは、猫を紹介された。名前をボイル(沸騰)といった。ボイルはしかし来客には姿を見せなかった。
まもなく狭い部屋の中でジョンスはなんとなくそういう雰囲気になってヘミと交わった。その瞬間、ジョンスはたちまちヘミに恋をした。
「納屋を焼く」の韓国映画バーニングのあらすじ2-三角関係
ヘミがアフリカに旅立った後、ジョンスは足繁くヘミのアパートに通って猫に餌をやり続けた。しかし猫は異常なほど警戒心が強く、やはり姿を見せなかった。
猫は確かにそこにいた。気配もあるし、糞もあった。姿の見えない猫のためにジョンスは水と食べ物を用意する。
そんな中、携帯にアフリカにいるヘミから突然電話がかかってきた。現地でテロがあり、ケニアのナイロビ空港で何日も足止めを食らっていて、明日には韓国に帰国できるとのことだった。
迎えに来てほしいといわれたジョンスは大喜びで空港まで駆け付けた。するとヘミは見知らぬ男性を連れて到着口から出てきた。男はベンと名乗った。二人はケニアで知り合ったという。
何か食べに行こうということになり、ジョンスがトラックを運転して三人でレストランに向かった。ヘミとベンの関係は微妙だった。恋人とも言えそうだし、違うかもしれなかった。
ベンの仕事を聞いても何をしているのかよく分からなかった。ただ、若くてお金に余裕のあることは分かる。誰かがベンのために高級車をわざわざレストランの前まで運転しに来るほどだった。
ベンは、小説家志望のジョンスが気に入ったようで、いつか君と話がしたい。僕の話を聞かせたいと言った。
レストランを後にした三人はそのまま解散となった。ジョンスがヘミを家まで送ろうとしたら、ベンが僕が送ろうかと提案し、高級車にヘミを乗せてその場から去っていった。
「納屋を焼く」の韓国映画バーニングのあらすじ3 – 奇妙な友情
ジョンスにまたヘミから電話がかかってきた。久しぶりに会わないかというので待ち合わせの喫茶店に行くと、ヘミはベンといた。前のときより二人の距離が明らかに近くなっていた。
三人はベンの高級マンションに行き、パスタを食べながらジャズを聴いた。高級車を乗りまわし、高級マンションに住み、悠々自適に暮らすベンをジョンスは怪しく思った。
自分の父親は公務員に暴行を働いて刑務所にいる。母親は幼いころに家を出て、家は貧しい農家。まるでベンとは住む世界が違った。
ジョンスがトイレに行くと、引き出しの中から女物のアクセサリーがたくさん出てきた。どう考えてもベンのものではない。ますますベンのことが分からなくなった。
その夜、三人はベンの仲間たちと合流し、お酒を飲みながらお喋りをして時間を過ごした。ヘミがアフリカで覚えたダンスを披露すると、ベンは退屈そうにあくびをしていた。
「納屋を焼く」の韓国映画バーニングのあらすじ4 – ベンの告白
ジョンスが坡州市にある実家にいると、突然ヘミとベンが車に乗って現れた。近くにいたから酔ってみたとヘミは言う。
家の前に椅子とテーブルを出し、三人はベンが持ってきたワインを開けた。ヘミがその昔、近所にあった井戸に落ちた話を切り出した。暗い井戸の中に閉じ込められ、何時間も身動きができなかったときに助けてくれたのがジョンスだった、と。
ジョンス本人は、この近くに井戸があることも、ヘミを助けたこともすっかり忘れていた。三人は”草”に火をつけて吸い始めた。三人共すっかりいい気分になっていた。
ベンは、ジョンスに向かって「僕はビニールハウスを焼くのが好きなんだ」といった。「2か月置きぐらいに理由もなくビニールハウスを焼く」と。
ジョンスの近所にはたくさんビニールハウスがあるから次はこの辺で焼こうとまで宣言した。ジョンスは、ベンに自分のヘミに対する思いを明かした。彼女は特別で、彼女ことを愛しているというと、ベンは何も言わず微笑んだ。
ハイになったヘミは立ち上がり、夕日に向かって踊り始めた。彼女はシャツを脱ぎ、上半身裸になった。それを見たジョンスは複雑な思いだった。
そして二人が帰ろうとするとき、誰にでも裸を見せるなんて娼婦のやることだ、とヘミについつい言ってしまった。ヘミは一瞬表情をこわばらせ、すぐに悲しそうな顔をした。ジョンスがヘミの姿を見たのはそれが最後だった。
「納屋を焼く」の韓国映画バーニングのあらすじ5 -ヘミの失踪
ジョンスがヘミの携帯に電話をしてもつながらなかった。
ジョンスはベンが近所のビニールハウスを焼くといっていたことを思い出し、近所を走って回った。しかしどこにも焼かれた後のあるビニールハウスはない。
電話がつながらなくなったヘミを心配してジョンスはベンを訪ねたが、ベンにはすでに新しい恋人がいた。ヘミのことを聞いてもどこにいるかわからないという。
ヘミの家族のレストランにも足を運んだ。ヘミは家族に多額の借金があり、家族とも音信不通だった。
ヘミのアパートに行くと、もぬけの殻になっていた。猫の姿も荷物もなく、部屋は不自然なほどきれいに片付いていた。
「納屋を焼く」の韓国映画バーニングのあらすじ6 -容疑者ベン
ジョンスはベンのことを疑い、ベンをつけることにした。ベンのマンションに車を止めて彼の車の後を追う。
ある日、ベンがジョンスのマンションの前で待ち伏せしていると、ベンから電話がかかってきた。ジョンスは自分のいる場所を悟られないようにしようとしたが、ジョンスのトラックの窓をベンが叩いた。車を見てジョンスだと分かったという。
ベンはこれから友人たちとの集まりがあると言い、ジョンスを家に招待した。ベンはまるでヘミのことを気にかけていなかった。
ベンの部屋に入ると、見かけない猫がいる。道で拾ったというのだ。ジョンスがトイレに行くと、引き出しの中からヘミのものと思われるピンクの腕時計が出てきた。
トイレから出ると、猫が家の外に逃げていってしまったのでジョンスも駐車場まで追いかけて行った。もしやと思ってボイルと呼びかけると、猫は逃げるのをやめてジョンスのほうに歩み寄ってきた。
まもなくベンの友人たちが到着し、部屋でパーティーが始まる。ベンの友人は中国や中国人について延々と語っていた。それを見てベンはまたあくびをしていた。
ジョンスはベンがヘミを殺したと確信を強めていった。
「納屋を焼く」の韓国映画バーニングのあらすじ7 -ラスト
ジョンスはベンを郊外に呼び寄せた。車から降りてきたベンは、「ヘミはどこなんだい?」と聞いた。ジョンスはすかさずナイフを取り出し、犯行に及んだ。
ガソリンをかけ、車もろとも火をつけようとすると、トラックが横を通り過ぎて行った。ジョンスは粉雪が地面にうっすら積もる中、自分の服を全部脱ぎ、それも一緒に燃やした。そしてトラックに乗り込み、燃え上がるベンのスポーツカーを後目に走り去っていった。
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