ミスター・ガラスには普通に見ているだけでは気づかないたくさんの隠しメッセージがあります。そこで本作のトリビアの数々をまとめてみました。
1、監督のカメオはアンブレイカブルとスプリットと同じキャラ
本作にはM・ナイト・シャマラン監督本人がカメオ出演しています。M・ナイト・シャマラン監督はこれまでも全ての作品に登場しますが、今回は映画「アンブレイカブル」から続く同じキャラクターとして登場するなど、ただのエキストラではないのが特徴です。
M・ナイト・シャマラン監督が演じるのはジェイという男性で、「アンブレイカブル」でデヴィッドが警備員をしていたときに呼び止めた相手です。また、「スプリット」ではビルの整備士として登場します。
そんなジェイは本作でデヴィッドが経営するセキュリティーストアに登場します。そしてデヴィッドが警備員をしていたことを覚えてるといって当時を振り返ります。
当時のジェイは悪い人たちに囲まれてアウトローの道を進んでいましたが、悪の道から足を洗って心を入れ替えたそうです。
2、ケヴィンの息子ジョセフはアンブレイカブルと同じ俳優
本作でデヴィッドの息子ジョセフ役として登場する俳優スペンサー・トリート・クラークは、「アンブレイカブル」でも同じくジョセフ役を演じた俳優です。
「アンブレイカブル」が公開されたのは2000年。当時まだ10代の少年だった彼も今ではすっかり大人になりました。そしてその間、俳優としてテレビドラマや映画に出続けていたのです。
3、漫画屋の客も同じ客
「アンブレイカブル」では漫画屋の店員が日本のセクシー漫画を見ている客に注意をするシーンがありますが、本作では同じ客に「ハローキティー」を読みながら変なことをするんじゃないぞ、と警告するシーンがあります。どうやらこのコミックストアの常連は20年前とほとんど変わっていないようです。
4、チアリーダーたちはアンブレイカブルのシーンがモチーフ
物語の序盤にはデヴィッドがチアリーダーたちを救出シーンがあります。あのシーンは実は「アンブレイカブル」の終盤のシーンをモチーフにしています。
「アンブレイカブル」の終盤では家族が何者かによって家で監禁されている下りがありますが、あの時も被害者たちは手錠を鉄格子にかけられていました。
5、スプリットのコミック
ケイシーが漫画屋を訪れたとき、手にしたコミックにスプリットのシーンが再現されていたのに気づいたでしょうか。ミスター・ガラスの言う通り、コミックにはスーパーヒーローたちの歴史が刻まれていたのです。
果たしてあのコミックは未来を予言していたのか。それとも「スプリット」の事件後に発売されたものなのかは不明です。
6、ケイシーのジャケット
「スプリット」でケイシーが拉致されていたのはフィラデルフィア動物園の施設の中でした。そこから救出されたとき、ケイシーは職員からジャケットをもらって寒さをしのぐために着ていました。実は本作でもケイシーは同じジャケットを着ているシーンがあります。
思い出として今も大事に使っているのか、あるいはお守りのような意味があるのか。いずれにしてもケイシーにとっては大事なジャケットのようです。
7、大阪タワーのオープニングデイは歴史的な日だった
フィラデルフィア一の高いビル「大阪タワー」がオープンする日、ミスター・グラスはその場所でテロ計画を立てていることをケヴィンに話していました。その日とは12月7日。実はこの日は日本が真珠湾攻撃を仕掛けた日と同じだったのです。ビルの名前に日本の都市の名前を使っているのもそれが原因であると考えられます。
8、レポーターはスプリットと同じ人
大阪タワーがオープンするというニュースはテレビでも流れます。そこで登場するテレビレポーターは、実は映画「スプリット」で少女たちが行方不明になったことを報じた同じレポーターです。重要人物だけでなく、わき役、そしてエキストラまでつながっているのがこの映画の特徴です。
9、ケヴィンの父親も同じ病気だった
物語の終盤、ケヴィンの父親も「アンブレイカブル」で起こった同じ列車事故の被害者であることが分かります。
ケヴィンの父親が列車に乗るシーンで彼が手にしている本をよく見ると、そこには「dissociative identity disorder (DID)多重人格障害」と書かれているのが分かります。そう、ケヴィンの父親もまた同じ病気を患っていたのです。
もしかすると、彼は治療のためにあの列車に乗っていた可能性もあります。
10、三つ葉のクローバーが意味するもの
ラストで明らかにされる秘密結社の存在。そのメンバーはなぜかみんな黒い三つ葉のクローバーのタトゥーを入れているのが特徴です。では一体、なぜ彼らは三つ葉のクローバーのタトゥーを入れているのでしょうか。
これにはいくつかの説があります。一つは三つ葉のクローバーがとても珍しい存在であること、そして秘密結社の目的は特別な存在であるヒーローたちを抹殺することで、まさに三つ葉のクローバーは秘密結社の活動を象徴しているのです。
また、キリスト教では神様、キリスト、精霊は一つであるという意味の三位一体を三つ葉のクローバーで表現することがあるほか、欧州民族であるケルト人にとって三つ葉のクローバーは大切な意味を持ち、特に「3」の数字は重要視されている背景があります。
そういえばこの映画でも「3」の数字がカギになっているのが分かるかと思います。例えば主人公は3人のヒーロー。主人公たちが頼りにしているのも3人(ジョセフ、ケイシー、ミスター・グラスの母親)。
物語で強調される3つの色(紫、黄、緑)。そして三つ葉のクローバーです。