ラストに予想外のオチが待っているホラー映画「アス」。実はあのシーンには一つだけでなく、もう一つ隠されたバックストーリーがあるのに気付いたでしょうか。そこで映画「アス」の知られざるエンディングを紹介します。
映画アスのエンディングその1
本作のラストでは、いかにして幼少時代にアデレードが遊園地の鏡の館で自分の分身と出会い、誘拐され、地下に引きずり込まれ、クローンと人生を取り換えられたかを伝えていきます。
そう、視聴者がアデレードだと思っていた本人がクローンで、クローンだと思っていたレッドがアデレード本人だったのです。
劇中、実は何回もアデレードがアデレードではないことを示す伏線がありました。例えばアデレードに成りすまして両親のところに戻った彼女は、ほとんど言葉を発しませんでした。
そのことを両親はとても心配し、まるで別人になったと話していましたが、クローンたちはそもそも言葉を話せないから、偽物のアデレードはあの時点ではまだ喋れなかったのです。
大人になってもアデレードはビーチで友人のキティと話しているときに「私は喋るのは苦手なの」と言っており、言語の能力があまり発達していないことを示唆しています。
また、車内で息子のジェイソンに指を鳴らしながらリズムを取るように教えるシーンでは、アデレード自身のリズムがビートに合っていないのが特徴です。もともとバレリーナだった彼女があれだけリズム感に欠けるのはおかしなことです。
映画アスのエンディングその2
もう一つのエンディング、それはジェイソンに関わることです。実はそれこそが本当のエンディングといえそうです。
過去の記憶を取り戻し、自分の正体に気づいたアデレードは車内で青ざめた表情を見せます。
そのときに注意すべきなのはジェイソンの表情です。ジェイソンはマスクを脱ぎ、母親を見て意味深な表情を浮かべるのでした。そう、ジェイソンも母親の正体に気づいていたのです。
いや、気づいていただけではありません。なぜならジェイソン自身もまたクローンだったからです。
ジェイソンがクローンであることを暗示しているシーンはストーリーの中にいくつもありました。
ジェイソンは去年できたはずのマジックのやり方すら覚えていませんでした。車内でアデレードが指を鳴らしてリズムを取ろうとしたとき、リズムに乗れていなかったのはジェイソンも同じでした。二人は人間の普通レベルのリズム感を持っていないからです。
また、ビーチでは双子の姉妹がジェイソンのことをとても変わっている、といって一緒に遊ぶのを嫌がりシーンがあります。ジェイソンは砂浜で砂の城ではなく、砂のトンネルを掘っていたのもクローンの記憶がそうさせたのでしょう。
彼が無口で、コミュニケーション能力が乏しいのもヒントの一つです。また、ジェイソンもアデレードの少女時代と同じように鏡の館があったビーチ沿いの館に惹かれて、吸い込まれるようにして歩いていきます。
どのタイミングで本物のジェイソンがクローンと入れ替わったのかは定かではありませんが、もしかしたら物語の最初からジェイソンはクローンだったのかもしれません。