ゴジラ・キングオブモンスターズでは、日本のゴジラに対するオマージュがたくさんあります。そこでこの記事では本作の見落としがちなトリビアをピックアップしていきます。
モナークの基地の番号
怪獣の調査を行う秘密機関「モナーク」は、世界中に基地を持っており、それぞれに番号が付けられていたのに気付いたでしょうか。実はあの番号は、日本の代表的なゴジラ映画が公開された年と同じだったのです。
それぞれの基地にはアウトポスト55、61、67、75、91と番号が振り分けられていましたね。ちなみに55年はゴジラの逆襲、61年はモスラ、67年は怪獣島の決戦・ゴジラの息子、75年はメカゴジラの逆襲、91年はゴジラ対キングギドラが公開された年です。
怪獣総進撃
物語の序盤、モナークに対して、怪獣の調査なんてしていないでさっさと退治しろ!、とデモを起こしている人々の様子が映ります。
よく見ると、デモの人々の中には、「DESTROY ALL MONSTERS! 全ての怪獣をやっつけろ!」と書かれたカードを持っている人までいます。
実はあのフレーズは、68年公開の映画「怪獣総進撃」の英語版のタイトルと同じだったのです。
双子の妖精
1961年公開の映画モスラでは、小美人(しょうびじん)と呼ばれる双子の妖精が登場しました。小美人は美しい歌声を持つことで知られるキャラクターで、モスラを召喚するときに歌うのが特徴です。
ハリウッド版では、そんな小美人の役割をエマ・ラッセル博士と娘のマディーの二人が担うのではないかと噂されていました。
しかしながらゴジラ・キングオブモンスターズでは、親子三代にわたってモナークの研究員を務める中国人考古人類学者のアイリーン・チェン博士とアイリーン・リン博士が双子だったことが明かされています。ハリウッド版の子美人はなんと中国人だったのです。
モスラは死んだのか
キングギドラとの闘いにおいて、モスラはゴジラを助けるために自己を犠牲にします。モスラがゴジラに覆いかぶさったシーンでは、ゴジラがキングギドラを倒せるようにモスラが自分のエネルギーをゴジラに注入したのです。
あのとき、モスラの体から落ちた粉のようなものは鱗粉と呼ばれるもので、モスラのパワーを象徴しています。モスラはあのときゴジラのために自分のパワーを使い果たしたのです。
しかしエンドクレジットでは、モスラの二つ目の卵が発見されたというニュースの見出しが流れます。あのことからもモスラは、死ぬ前に卵を産み落としていたことが考えられ、まだまだ今後のシリーズでも登場することを暗示していました。
バーニングゴジラ
モスラのエネルギーを吸収したゴジラは赤く燃え上がり、パワーアップしてキングギドラに向かっていきました。いまにも爆発しそうなほど炎で真っ赤に光ったゴジラのあの姿は実は95年公開のゴジラvsデストロイアで登場したバーニングゴジラをモチーフにしたものです。
ちなみにモスラがゴジラにパワーを与える下りは、2001年公開のゴジラ・モスラ・キングギドラ大怪獣総攻撃のシーンのオマージュですが、そのときはモスラがキングギドラにパワーを注入してゴジラと戦わせます。つまりハリウッド版とは真逆の設定になっているのが特徴です。
オキシジェン・ディストロイヤー
物語の中で、アメリカ軍がゴジラとキングギドラを退治するために用いた兵器がオキシジェン・ディストロイヤーこと水中酸素破壊装置です。
実はこの兵器は、1954年公開の映画ゴジラに登場しており、ハリウッド版がオリジナルのストーリーに敬意を払った形となりました。
ちなみにオリジナル版のゴジラでオキシジェン・ディストロイヤーを開発したのは芹沢だったのに対し、ハリウッド版では芹沢は兵器の使用に反対する役側になっていました。
モンスターゼロ
ゴジラ・キングオブモンスターズの中では、なぜかキング・ギドラがモンスターゼロと呼ばれていましたね。
実はあれは1965年公開の映画怪獣大戦争の登場人物、X星人がキング・ギドラを呼ぶときに使っていた名称です。
怪獣大戦争ではX星人がキングギドラを倒すために地球の怪獣ゴジラとラドンを借りる、というストーリーになっていて、ゴジラが宇宙に飛び出した唯一の映画です。もしかすると、今後、ハリウッド版ゴジラもストーリーが宇宙に広がる可能性もなきにしもあらずです。
アメリカ人レポーター
エンドロールでは世界中のたくさんのニュース記事が映りますが、そこに見覚えのある記者の名前が登場します。
その名前とは、スティーブ・マーティン。そう、1956年に全米で公開されたハリウッド映画、「怪獣王ゴジラ」の主人公です。
怪獣王ゴジラは、アメリカの新聞記者スティーブ・マーティンが日本に立ち寄ったときにゴジラに遭遇する物語ですが、奇しくも英語のタイトルは、ゴジラ・キングオブモンスターズです。