「アントマンに隠された10の秘密とトリビア」でもすでに紹介していますが、今回はさらに詳しく「アントマン」のラストシーンについて取り上げてみたいと思います。ホープのシーンの意味するところはなんなのでしょうか。また一体なぜキャプテンアメリカとバッキーことウィンター・ソルジャーが出てくるのでしょうか。
まず「アントマン」のラストシーンを説明する前に、マーベル映画は全てひとつの世界観でつながっているということを知っておく必要があります。作品は違いますが、ネットフリックスの動画が「マーベルシネマティックユニバース」について分かりやすく説明しています。
この動画では「デアデビル」を扱っていますが、重要なのは全てのマーベル映画は同じ時系列に沿って、同じ世界の中で進んでいるということです。
ラストのおまけシーン1本目、ハンク・ピム博士&ホープ
それを踏まえたうえで、「アントマン」のラストシーンをもう一度振り返りましょう。おまけシーンの一本目は、ハンク・ピム博士が娘のホープをある秘密の部屋へ「見せたいものがある」と言って招待します。そこにはどこかで見たことのある羽の生えた蟻の形をしたスーツがあります。
このスーツはハンク・ピム博士の妻で、ホープの母親のジャネットがかつて使っていたスーツの最新バージョン。そう、ジャネットはかつてワスプの名で活躍していたアベンジャーズの創立メンバーに他なりません。
しかしそのワスプは1980年代旧ソビエト連邦のミサイル攻撃からアメリカを守るために自ら命を投げ捨てました。その回想シーンが「アントマン」の劇中にもちらっと登場します。
この妻の死を受けてハンク・ピム博士はあまりのショックから娘のホープにはスーパーヒロインになって欲しくないと思うになっていたのです。劇中のミッションを娘のホープではなく、アントマンことスコット・ラングに丸投げしていたのはこのためです。
しかし今回アントマンが悪者の計画を見事に阻止できたことでハンク・ピム博士はこの考えを改めます。「お母さんは使うことがなかったけど、今思うとこれはお前のためのものだったのかもしれない。今こそ完成させるときだ」というセリフにはそういう思いが込められていたのです。
このシーンは意味するのは、ホープがワスプとして新たにマーベル映画に将来的に登場する、ということです。早ければ2016年に公開の「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」にサプライズ出演するかもしれません。
ラストのおまけシーン2本目、キャプテン・アメリカ、ファルコン、ウィンター・ソルジャー(バッキー)
もうひとつのおまけシーンには、キャプテン・アメリカとファルコンが腕がはまって抜けなくなっているウィンター・ソルジャーを倉庫のような場所で発見します。
ウィンター・ソルジャーといえばバッキーのあだ名で呼ばれていたかつてのキャプテン・アメリカの親友です。しかし今はソ連の暗殺者としてプログラムされた宿敵ウィンター・ソルジャーという複雑な関係にある彼を目の前にして、キャプテン・アメリカとファルコンはどうしていいのか分からないのといった様子。
そこで二人はトニーを呼ぼうかどうしようかと考えます。そして最後にファルコンが行き着いた答えが「一人心当たりがある」としてアントマンのことを頭に浮かべたのでした。
ここで「アントマン」の終盤のシーンとこのシーンが結びつきます。「アントマン」のラストシーンでアントマンの親友でもあるルイスが「ファルコンが体を縮めることのできる男を探しているんだ」と言っていたシーンです。
つまりは「アントマン」の中ですでに次回作の「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」の世界はスタートしているのでした。そして何よりアントマンが次回作にも続けて登場することをこれらのシーンが示唆していたのです。ちなみにルイスはスパイダーマンのことも言及していますが、スパイダーマンもまた「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」に登場します。
「アントマン&ワスプのエンドロール後のラストシーンの意味と解説」